長文

「とても」を「程度の甚だしい様」という意味で使う人間を撲滅する仕事に就いています。

「窒素には臭いがない」などと言っているのは人間だけなのだ。

 

 

「もし窒素に臭いがあったとしても、人間はそれを当たり前に吸っているからそのにおいを標準と認識し、無臭ととらえるでしょう」

 

 

 

 

このようなことを、高校の化学の時間に先生がさらっと言っていたが、私にはこの言葉がその日の授業で一番印象に残っている。確かに。

 

 

 

もしかしたら窒素はとてつもない刺激臭を放っているかもしれない。

もしかしたら地球は刺激臭に包まれているかもしれない。

もしかしたらどこか別の星にいる謎の生物は、我らが生命の源 The Earth を「臭い星」と名付けているかもしれない。いくら臭いからって見つけた星にそんな名前つけないだろうと思った方はちょっと待ってほしい。オリオン座のβ星である「リゲル」の原義はアラビア語で「」だ。オリオン座の左足にあたる場所に位置するからだ。ちなみにはくちょう座α星の「デネブ」の原義は同じくアラビア語の「」である。

 

 

 

 

 

 

謎の生物A「銀河系太陽の第三惑星”Earth”はその大気組成の約8割が窒素です。この気体は生体には無害ですがただただクサイですね。こんな環境で我々が暮らすことは不可能でしょう」

 

謎の生物B「”Earth”・・・・・・名前からすでにクサイですね。こんな環境で生物は生息しているのでしょうか?」

 

謎の生物A「わんさかいますね。おそらく鼻の機能が退化*1しているか我々より劣っているのでしょう。また、ニオイから逃れるために海に逃げた生物もいるようですね」

 

謎の生物B「なるほど、窒素はほとんど水に溶けませんからね」

 

 

 

 

 

嫌な話だ。私はいったい何を考えているのだろうか。生命の誕生は海の奥底で、逃げるも何もないというのに。いやそこじゃない。

 

 

 

 

 

 

話は少しそれるが、赤外線について考えるのもおもしろいだろう。基本的に人間は赤外線を光として認識できない。しかし、もし突然変異で赤外線を視認できる人間が現れても、彼(彼女)はそれが特別なことだとはわからないだろう。その人にはその世界が当たり前なのだから。哲学的には「クオリア」問題と呼ばれる。私が「赤」をこの色で観ていたとしても、他のみんなは私にとってのこの色を「赤」と呼んでいるかもしれない、ということだ。詳しくは調べてみてほしい。赤外線の場合も同じようなことが起こるだろう。ん、いや、そうでもないか?

 

 

 

 

 

α君「暗くなるとだんだん周りが明るくなるよね*2

 

β君「赤く?ああ夕焼けのこと?」

 

α君「夕焼けって言うんだ。昼の透明な明かりもいいけど、夜の赤い明かりも風流だよね~」

 

β君「何言ってんだ?」

 

α君「この間夜に飛行機乗ったんだけど、窓から見下ろした渋谷とか超赤かったよ~」

 

β君「なにそれこわい」

 

 

 

 

 

とか?

 

 

 

 

 

β君「この間夜中に飼ってるハムスターが脱走しちゃってさ、探すの大変だったよ」

 

α君「え、あの子光ってるし、むしろ夜こそ探しやすいでしょ」

 

β君「・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

とか?くっだらねえ。おもしろいけど。

 

 

 

 

 

 

上の例でも挙げたように、動物は体温が高く、赤外線を放出している。赤外線を感知するセンサーを使えば、夜間でも人間を「見る」ことができる。まてよ?

 

 

 

 

 

またまた登場謎の生物A「”Earth”には様々な生物が生息していますが、その多くは赤外線を放つ、つまり発光するんですね。日中は他の光に邪魔されて目立ちませんが、夜間は非常にわかりやすいです」

 

こちらも登場謎の生物B「おもしろいですね」

 

謎の生物A「この光で何をするのでしょうか」

 

謎の生物B「やはり狩りではないでしょうか。暗いときでも周りの様子を知ることができます」

 

謎の生物A「ですが逆に自分の居場所も教えてしまうことになってしまうので、それは難しいでしょう。一説には、この光の明滅パターンでコミュニケーションをとれることを利用して、プロポーズをしているのだろうと考えられています」

 

謎の生物B「ロマンチックですね」

 

 

 

 

これはひどい。これを考えているのがすべて私なのもひどい。

 

 

 

 

 

 

だが、ヘビにみられるように、赤外線を視認するのはそこそこ可能性がありそうだ。蝶は紫外線を認識できるらしい。人間も赤外線を視認できるようになるべきだ。まてよ?

 

人は全身から赤外線を出しているそうだが、つまり、まぶたからも出る。すなわち目を閉じても視界は赤く光ったまま。眠れない。これはひどい。いや違うか。目を閉じて赤く光るのが「当たり前」なのだから、つまり人間は赤外線の世界を暗闇と認識するわけで、えっとつまり赤外線を感知すると視界は暗闇になり、えっとえっとつまり動物は赤外線を放出しているわけだから、えっとえっとえっtあじてjm;dgうぇ、いあ:のあえ¥;lさあ9283ばlぎれおwfdkvmぽ;xwvじぇ9pmdそk

 

 

 

 

 

 

 

考えるのはやめよう。

 

 

 

 

 

 

 

つまり簡単にまとめると、地球は臭いうえに生物が赤い光でプロポーズしているということだ。全然違う。地球は臭くないし赤い光でプロポーズってそれただのディスコじゃねーか*3

というわけで、「我々が当たり前と思っていることを疑ってかかるのもおもしろい」というありきたりな結論で、この書くのも読むのも面倒「臭い」文章をそろそろ締めたいと思う。全然うまくない。地球は臭くない。

*1:そもそも何をもって退化というのか。

*2:そもそも当たり前のこと過ぎてこんなこと話題にも出さないだろう。

*3:筆者はディスコをよく知らないのでテキトーに書いている。流石にディスコでプロポーズはしないか。